ファミコンミニの出来

全10種類のファミコンミニを集めてしまったわけですが、移植のできはどうか。実は移植じゃなくてエミュレータだろうと言われています。つまり、ゲームプログラム自体は昔のままで、ゲームボーイアドバンスファミコンの機能を再現することによって動かしています。非常に重い処理なんですが、コンピュータが進化した今ではそう珍しい話でもないですね。よって、ゲーム自体は完璧でしょう。
じゃあ完全に同じかというとそうではないです。というか、同じには出来ません。画面のドット数が違うんです。ゲームボーイアドバンスの方が縦のドット数が少ない(横240×縦160ドット)ので、ファミコン(256×240ドット)を再現するには、画面の一部を切り取るか縮小しないといけません。そこで任天堂はどうしたか。ファミコンの絵というのは8×8ドット単位になっていて、それを組み合わせて画面を作ります。その絵を8×6ドットにすることによって(縦2ドット=横2ライン分省略)、若干違和感はありますが、ファミコンと同じように見えるようにしてあります。
しかし、それだけで話は終わりません。すべて同じように省いただけでは、絵によっては意味をなさなくなることもあります(特に文字や斜めの線を持つ絵)。ここからは推測ですが、基本的には縦3ライン目と6ライン目が省いてあるように見えますが、絵ごとに間引く位置を変えられるのではないでしょうか?。顕著な例がドンキーコングで、当初発表された画面写真やパッケージの写真では、鉄骨がガタガタになっているのに気づきました?。鉄骨には斜めの線があるので、真ん中の方を間引くと汚く見えてしまいます。私はこれでちょっとがっかりしたんですが、実際に発売されたバージョンでは、1ライン目と8ライン目を間引くことで奇麗に見えるように調整されていました。ただし、すべてこれでは数字や文字がおかしくなるので(1ライン目は必要なことが多い)、絵によって変えてあると。可能性としては、間引いても奇麗に見えるように元の絵自体を変更しているのかもしれませんが、それはさすがに中身をのぞいてみないと分かりません。
さらに、それだけでも話は終わりません。パックマンを見て微妙に違和感を感じませんか?。キャラクターが大きいんです。迷路の幅よりも大きい。つまり、スプライト(動くキャラクター)については間引いてないんですね。キャラクターの絵を間引いてしまうと、かなり目立ちますから。とはいえ、全部そうかというとそうではなく、ゲームの特性に合わせて間引いてあったりなかったりするようです(ゼビウススターソルジャーボンバーマンは間引いてあるっぽいです)。
本来2Pコントローラーがないとできないような裏技も1Pでできるように変更してあったり、ハイスコアのセーブが出来るようになっていたりと、全体を見てもかなり丁寧な作り方をしてあります。ただ単に'80年代ブームに乗ったわけではないよという、任天堂からのメッセージが見えてきます。偉い(褒め過ぎかな?)。