高岡めぐり

私は富山県富山市の出身です。富山県第二の都市である高岡市には実はほとんど行ったことがないので、暇ついでに行ってみることにしました。
まず行ったのが「高岡市万葉歴史館」。万葉というのは万葉集のこと。高岡には万葉集の編纂にかかわった大伴家持国司として赴任していたため、高岡にいた時代の歌もいくつかあります。私はあまり歌心がないのでなんとも言えませんが(苦笑)。大伴家持は高岡を離れた後は政治闘争に巻き込まれ、あまりいい人生ではなかったそうです。なお、万葉集は本物は現存しておらず、写本が残ってるだけです。写本にもたくさん種類があって(数十種類)、その系統図が非常に興味深いです。ちなみに、私の実家の近くで大伴家持が書いた歌もあるという話なんですが、真偽のほどは不明。
次は「如意の渡」。見たところ、普通の渡し船です。船着き場も船自体も特に変わったところはありません(学生が通学に使うのが主らしい)。ただ、一つ面白い話がありまして、「安宅の関」って知ってますか?。「勧進帳」で、弁慶と義経が身分を隠して逃げようとしていたときに、義経が見破られそうになってしまい、機転を利かせた弁慶が義経を金剛杖で叩いたことによって難を逃れたという場所です。実はこの話、勧進帳で脚色されたのが有名になってしまったもので、「義経記」によると本当はここ如意の渡で起こった出来事なんだそうな(しかも叩くのに使ったのは扇子)。とはいえ、特にその証拠となるものがあるわけでもなく、高岡市が作った銅像だけが置いてあります。ちょっと寂しい。
次に「瑞龍寺」。富山県唯一の国宝(建物自体)があるところです。前田利長(加賀藩前田利家の子)の菩提寺だそうです。富山なのになぜ加賀藩?と思われるかもしれませんが、「加賀百万石」というのは富山県の一部も含まれています。お寺は非常にシンプルで美しいです。観光地としては、全体的に説明不足気味なのでちょっと物足りないですが、地元の人がお茶会をしていたり、近所の小学生がお昼を食べていたりと、本来のお寺の役割としてはこれでいいのかもしれません。
そして「高岡大仏」。小さい頃から日本三大仏の一つと私は教わっていたんですが、いろいろ調べてみると諸説あるみたいです。「日本三大なんとか」の3番目はどこもそんな感じですけど(苦笑)。小さい頃に一度来たことがあるんですが、大仏自体は覚えていた通りだったものの、場所は全然記憶と違ってました。いかにも地方の小規模な商店街の中の、それほど広くない敷地の中にちょこんとありました。駐車場は普通車4台分のみ(なのに観光客は他にはいなかったような…)。私の記憶では、もっと観光地らしいというか、バスが入るような駐車場があって、露店がいくつかあるというイメージだったのになぁ。大仏自体は3代目。元々は木造だったんですが、2度焼失してしまったので高岡が誇る銅加工技術で復元されました。横にあるお寺の家紋がうちと似ていたのがちょっと気になります。そういえば、ラジアメのふれキャンがここでありましたねぇ。ちょうど高校入試の日だったので行けませんでした。今でも悔しいです(笑)。
とまぁそんな感じです。高岡市で一日つぶそうと思うとちょっと厳しいですね(富山市で一日つぶすのも難しいけど)。立山観光のついでなんかにいかがですか?。