拝啓

ちょっと前のネタなんですが、産経新聞で最近触れてたので思い出しました。

手紙の書き出しで使われる「頭語」を書かせる問題で、「拝啓」などと正しく解答できた高校生が、想定正答率65%を大きく下回る35%だったことが27日、国立教育政策研究所が発表した2002年度の教育課程実施状況調査(学力テスト)の報告書で分かった。国語は想定正答率を上回る問題が多かった教科だが、実社会で使われる表現が意外と身に付いていないことがうかがわれる。
時事通信(2004/7/27)

産経新聞は「六たび国語断想」という連載で、この話題と新聞の常用漢字制限を組み合わせて、

戦後国語政策の一つである漢字制限がいかに日本人の国語力を低下させてしまったか、その無惨な結果がここに現れている。
産経新聞(9/27)

とし、それを引き起こした新聞(マスコミ)を批判しています。が、この記事はどうも視点がずれている気がします。普通このニュースを聞いた人は、高校生が「拝啓」を知らないことに驚くわけですが、この記事の担当者は「拝けい」や「はいけい」と書くことを問題にしたいようです。65%が間違っていた方が問題じゃないの?。さらに、漢字かなまじりで書くようになってしまったのをマスコミのせいにしているんですが、そもそも、今時の高校生が新聞読んでると思います?。35%もいたらいい方でしょう。
この記事の担当は校閲部長の塩原経央氏という人なんですが、マスコミの漢字の使い方についての自分の意見に説得力を持たせるために、キャッチーなニュースを組み合わせたという感じにしか見えません。意見自体には同意しますが、ちょっと導入部を間違いましたね。
ちなみに、個人的には高校生が「拝啓」を書けなかったのは、ただ単にそういった手紙を書く機会がないからだと思っています。私も書いたことないですし(笑)。