いいもんだよ、生きるって

NHKETV特集「いいもんだよ、生きるって 〜夜回り先生水谷修のメッセージ〜」を見ました。見る気はなかった(というか放送されているのも知らなかった)んですが、すごい番組でした。
水谷先生というのは現在は定時制高校の教師で、掲示板や電話などで悩める子供たちからの相談を受けたり、夜の街にたむろする子供たちに声をかけたりしています。この番組は彼の講演を主にまとめたもので、優しい語り口と衝撃的な内容にぐっと引き込まれました。世間が公にしようとしない、夜の世界がそこにはありました。昼の世界に居場所を失ってしまった子供たちのシンナー、ドラッグへの依存。そして、それを引き起こした大人たちと、死んでいく子供たち。
水谷先生は、子供たちが死んでいったのはすべて自分のせいだと言います。聞き手の江川紹子さんは「それは言い過ぎではないか」と言うんですが、彼は優しい笑顔でそれを否定し、自分を力不足だと言います。彼が力不足なら、世の中すべての大人、そして私なんて力と呼べる力すらないのかもしれません。
実は私のまわりにも手首を切ってしまう人がいたんですが(キーワードリンクされたくないのでカタカナでは書きません)、結局それを止めさせることが出来ないまま、私はギブアップしてしまいました。その人の場合はやはり親に恵まれなかったというか、信頼できる大人がまわりにいなかったように見えました。私だけでも信じてもらえるようになりたかったんですが、その人と真正面からつきあうには、かなりの精神的、そして肉体的パワーが必要でした。その間は自分の生活がめちゃくちゃで、しかもちょうど部署を異動した直後だったので、本当に辛かった。最終的には連絡手段であった携帯電話を捨ててしまいました…。今も何ヶ月かに一回は会うんですが、そのときは普通に接してくれます。ただし、心の中までは見えません。
水谷先生は本当に大変だと思います。あんなことは生半可な気持ちではとてもやってられません。しかし、彼を頼る子供たちもたくさんいます。とはいえ、彼に頑張ってと言うのは無責任な気がしてなりません。こういったことを続けていると、相談される側の精神も影響を受けてしまいがちです。先生には、自分の身体を大事にして欲しいと思います。
早く寝てしまいたいんですが、何か書かないと寝付けなさそうなので、うだうだと書いてみました。おやすみなさい。