こっくりさん

「コックリさん」という映画が近日公開とのこと。この前買った、安斎育郎著「霊はあるか」でこっくりさんについて言及していたので、ここにご紹介させて頂きます。
意外なことに、こっくりさん占いはヨーロッパの生まれで、少なくとも15世紀以前に生まれたもの。レオナルド・ダ・ヴィンチの著作にも同種の現象に言及したものがあり、テーブルターニングなどを呼ばれていました。その名の通り、テーブルに何人かで手を置いて、それが動いたかどうかでメッセージを受け取ります。
日本に入ってきた時期ははっきりしていて、1884年(明治18年)に伊豆半島沖に漂着したアメリカ人から伝えられたそうです。日本にはテーブルはなかったので、竹の棒を3本組み合わせて、それらしいものを作ってやっていたとのこと。実はこの方法は私の祖父(1915年生まれ)からも聞いたことがあるので、全国的に流行っていたんだと思われます。ちなみに、この映画は韓国映画なので、韓国でも流行ってたんでしょうね。
こっくりさんの原理を最初に解明したのは、電磁気学で有名なあのマイケル・ファラデー。それを解明した方法は本をご覧ください(笑)。もちろん霊の仕業ではなく、人間の無意識の反応によるものです。ファラデーがわざわざ解明しようとしたのは、別にそれが霊かどうかを確かめようとしたわけではなく、何の検証もせずに霊の仕業だと信じてしまう人たちに対して警笛を鳴らす、という意味があったそうです。これは今の日本でも同じことが言えますねぇ。特にテレビ番組からそういう情報は発信されるわけですが、テレビ局は「科学的に100%否定することはできない」というのを「科学的に否定はできない」と拡大解釈して、信頼度に欠ける情報を日々垂れ流しているわけです。我々は、そういった無責任な情報に流されることなく、いろんなことに疑問を持ち確かめつつ生きていきましょう、と。