水子の霊

同じ本からもうひとネタ。たまたま見たホームページがとある宗教団体のもので、「水子供養」について書いてありました。で、この「水子」とは何か。もともとは、妊娠途中で死産・流産した子供に付ける戒名が「水子」で、読み方は「すいじ」。それが、水子供養の一般化と同時に「みずこ」と読むようになったんだそうです。
昔の民間の風習では7歳以下の子供は「神の子」とされていて、死んでも仏にはならず、再び生まれ変わるとされています。何の罪も犯さずに亡くなったので、人を恨むようなことはありません。とはいえ、妊娠中絶や事故などで子供を失った人にとってそれは後悔の対象なわけで、それによって体調を崩す人も出てくるでしょう。水子供養はそこにつけ込んだ商売と言えます。
驚くことに水子供養が流行り始めたのは戦後なんだそうで、優生保護法が制定され、妊娠中絶技術が発達してからとのこと。その中で生まれた商売なんですね。もちろん勝手な都合による中絶は良くないですが(さすがに100%悪いとは言いません)、水子供養などではなく、もっと真剣に生命と向き合うことが必要なのでは、と著者の安斎氏は述べています。